日日是好日
2021.10.29
カレーといえば、忘れられない思い出があります。
20年前になりますが、私が住んでいた家の近くにインドの家庭料理を提供する喫茶店がありました。
経営者は日本人なのですが、本場インドで勉強されてきた方のようで、日本ではあまり馴染みのないインドの料理が提供されていました。
カレーにいたっては、厳選されたスパイスで作られた本格的なカレーで、これまでカレーと思って食べていたものは何だったのだと思うほど、「医食同源」を形にしたインド人の叡智が込められた味を堪能することができました。
身体に良い美味しい料理を食べると、心も体も浄化されたような感覚になり、改めて食べるもので自分がつくられているのだということを教えられた心境になりました。
インドに限ったことではなく、伝統的な食事にはその国のご先祖さま達の知恵がたくさん詰まっていて、時代が変わっても決して失くしてはいけないものと考えさせられます。
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占い師と調理師は共通しているものがあるように感じます。
よく占いに対して「当たるも八卦、当たらぬも八卦」という言葉を使われることがありますよね。
「」(陰陽五行論)とは、天・人・地・森羅万象を表すもので、教科書通り勉強しても、奥が深過ぎて、正しく読み取ることは至難の業といわれています。
この難しさは、スパイスから本格的な美味しいカレーを作る試みに似ていると語っていた方がいました。
本格的なカレーを作る時、何種類もあるスパイスを調合して作るわけですが、どれをどのくらいの分量を入れればいいのか、分量が分かっていても、レシピ通りに作っても、一流の調理人が作るような本格的な仕上がりにはなりません。
言葉では表せないような細かい部分やフィーリングの部分までを含めて、長年の修行を経ての職人技が必要になってきます。
失敗を繰り返しながらでも、諦めず、妥協せずに追求して作り上げられたものには、誰にも真似出来ない素晴らしいものが完成されていきますが、人間の人生に重なるものを感じます。
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この世は修行の場で、人間がこの世に生まれて来る目的は、「魂をレベルアップ」させる為と言われています。
魂は生まれて来る前に自分で人生を選んでおり、「超えられる見込みの試練」しか持って生まれてこないとも言われています。
高い目標を掲げている魂の人はその分修行のハードルが高くなるため、当然人生は順風満帆ではいかなくなります。
でも、辛苦や困難をを乗り越えて、霊としての質(階層)を上げていった時、何ものにも変えられない大きな歓びへと繋がっていくのだと思います。
そう考えると、この世に不幸は存在せず、見方を変えれば、人生で起きる全てのことが、自分のレベルを上げるための貴重な体験と解釈できます。
「日日是好日」禅の無の境地に達すれば、どんないいことがあった日でも、どんな災難に見舞われた日でも、違いはない。
毎日が良い日なのです。