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夢を叶える珠理(アカリ)の「未来へのあかり」

Kちゃんの胆試し

2022.08.12

中学時代の夏休みの思い出です。

M中学の私とY、H中学のMさんとKちゃんの4人が、Mさんの家に集まって、ある日、怪談話で盛り上がっていました。

それぞれに取って置きの怖い話を順番に披露しあっていたのですが、最も怖がりのKちゃんだけは、最初から何を聞いてもずっと怖がっていました。

因みにKちゃん本人が怖い話を語る順番は1番最後だったのですが、Kちゃんは

「怖い話なんか知らんよぅ~、ただでさえ怖がりなんじゃけ、何も無いよぅ~」

と、困っていました。

同じ中学で、しっかり者のMさんがKちゃんに、

「Kの話が大して怖くなくても誰も怒らんけぇ、取り敢えず何か話してみんさいや」

と、笑いながら言いました。

するとKちゃんは、

「じゃあ、怖いと言うよりは不思議な話なんじゃけど…」

と、静かに話し始めました。

「ウチが小学6年の時、夏休みに子供会で胆試しをやると決まったんよ。ウチのお父さんもその時は子供会の役員で、張り切って企画を考えよったんよね」

Kちゃんは、胆試しをするのが物凄く嫌で、ずっと父親に、怖いから止めよう、と、反対していたらしいのですが。

「驚かす役目の大人も色々準備して楽しみにしていたし、子供達も途中で棄権せず無事に行って帰ってゴールしたら豪華な景品が貰えるとかで、結局御盆に開催されたんよ」

その胆試しは屋外で、少し暗くなった頃に、小学1年生は6年生と、2年生は5年生と、3年生は4年生と2人1組になって、木々が茂る小道を抜け、折返し地点に指定されている神社の境内に着いたら、そこに置いてあるカードを1枚、証拠として持ち帰るルールになっていたそうです。

「先に出発した子供達が、ギャーギャー泣いて戻って来るんよね。父兄達に驚かされて、殆どの子供達がゴール出来んのよ。もう、私は嫌で嫌で、出発前から怖くてガタガタ震えとったんよ。」

それでも遂に、Kちゃん達の順番が来てしまいました。

「アタシと組んだ1年は、怖いから歩きたくないって言うんで、仕方なくオンブしたんよね。重たいわ暑いわ怖いわ、もう泣きそうになりながら神社を目指したんよね。」

怯えながら歩くKちゃん。背中の1年生は眠ってしまったのか、喋ることもせず、微動だにしなかったそうです。

「結局、誰にも会わんまま、神社に着い  て。カードを手にして、来た道を引き返して。」

Kちゃんは、無事に戻って来たそうです。

…が。

「その後、全員胆試しが終わってからなんじゃけど。お父さんが興奮して駆け寄って来て、アタシに言うんよ。

『K、オマエすごいなぁ!お父さん達がどんなに怖がらせても、オマエは全然驚かずに涼しい顔で通り過ぎたなぁ!』

…って。」

Kちゃんは焦って、胆試しの間中、全く誰とも会わなかったし、1度も驚かされていない、と必死で主張したそうです。

「それなのにお父さん達は、またまたぁ~って笑って、全然信じてくれんかったんよね!」

驚かせる役の人達は、あの手この手でKちゃんを怖がらせようと、目の前に仕掛けをぶら下げたり、急に大声を上げたり、色々実践していたと言うのです。

「そんなの何も見とらんし、聞いとらんし、誰とも会っとらんのに、何度そう言っても皆笑って、凄い凄いと誉められるばかりで、結局最後まで信じて貰えんかったんよ…」


今より暑さも控え目だったその年の夏休み。

交わされた怪談話の中で最も怖かったのは、Kちゃんの肝試しの話という結果になりました。

はて…、一体何が起こっていたのでしょうね…?



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