10代の頃から、俳優のトム・ハンクスが大好きで、彼が出演する映画は必ず映画館へ観に行くようにしています.


昨年は、エルヴィス・プレスリーの半生を描いた映画『エルヴィス』に出演しており、観に行ってきました。

トム・ハンクスが演じるのは、エルヴィスを不幸のどん底に陥れた、悪名高いマネージャーの役で、｢悪役のトムハンクスなんて観たくない～｣と思っていたのですが、彼の素晴らしい演技に最後まで惹き込まれてしまいました。


映画『エルヴィス』は、ゲーテの名著『ファウスト』を彷彿させるような構成で描かれています。

悪魔のような腹黒いマネージャーの手のひらの上で、純粋無垢なエルヴィスが、悪魔の筋書き通りに転がされ破滅へと向かっていく様子が巧みに描かれています。

神は、人間に｢自由意志｣を授けており、たとえ守護天使といえども、その人物の自由意志に介入したり、妨害してはいけないルールがあります。

人生において私たちは、何度も様々な選択を迫られますが、その選択によって、｢幸｣、｢不幸｣が分かれるのも現実です。


エルヴィスも人生において何度もどちらの道を選ぶかの｢選択｣を迫られます。

エルヴィスはどんな状況にあろうとも、誰に対しても優しく義理堅く、恩義を忘れない人物なのですが、その性格ゆえの選択が、ことごとく自らの首を絞めていく結果へと繋がっていくのでした。


悪魔のような人物との関わりにおいては、思いやりや親切といった、｢良い行い｣、｢優しい人間性｣が仇となってしまうのです。

人柄の良い優しい人間は、悪魔にとっては、自らの懐を肥やす絶好の鴨にされてしまうのです。



この世は表と裏、光と闇、陰と陽といった感じに、相反する性質がワンセットになって存在しています。

エルヴィスは、悪魔のような人物と出会い、彼と契約を交わしてしまったがゆえに、心身共にボロボロになり、破滅的な人生を歩むことになりました。


でも、時代が移り変わっても『キング　オブ　ロックンロール』と呼称され、人々に愛され、語り継がれています。


彼の美しい魂の｢光｣と過酷な人生という｢闇｣がワンセットになり、彼は｢音楽界の伝説の中の伝説の人｣になったのでした。

もしかしたら、彼の魂が大きな挑戦として、あらかじめ設定してきた人生であったのかもしれません。



人間がこの地球に生まれて来る大きな理由は、｢魂を成長させる｣ことと、｢カルマを解消する｣ことなのだそうです。

生まれて来る前に｢どのような人生を送り｣｢どのような学びをするのか｣を自分で設定しているとも言われています。


ですが、自分では設定していない｢霊的な妨害｣によって大切なタイミングを逃してしまうことがあります。

また、生活環境のストレスの積み重ねにより、軌道を踏み外してしまい、上手く人生を送れなくなってしまうこともあります。


理不尽なことであっても、不完全で様々な価値観や波動を持った人たちが集まっている地球でしか体験できないことでもあります。


幸せの価値観は人それぞれ違いますが、辛いことを不幸だと思わず遊び心を持って、難しいゲームに挑んでいる感覚を持って生きることが開運の鍵なのではないかなと考えます。


苦しみが続くと希望が持てなくなりますが、闇が深ければ深いほど、その反対側には同じくらいの光りが存在していることを忘れないでください。