「息を吐く」
2023.03.10
人は未来を願い求め、過去を反省したり基準にしたりして行動します。
「将来は、こうならなければいけない」
「過去はこうだったから、こうあるべき」
と現在の行動の根拠になるものです。
しかし、お釈迦様は「人の一生とは一息の間である」と説いています。
昨日も明日もない「一つ息をする今の瞬間」こそが本質ということです。
息は、身体の中の空気を吐きだす、
つまり捨てるから新しい空気を吸えるのです。
「呼吸」の「呼」いう漢字には、もともと「息を吐くこと」という意味があります。
つまり「呼吸」とは「息を吐いて」→「吸う」ということです。
呼吸とは文字通り、息を吸ってから吐くのではなく、吐いてから吸うのですね。
何事も同じで、「捨てる」からこそ次が訪れるのです。
過去や未来に囚われてしまうと、失うことを恐れ、日々迷わされることになります。
落胆したりイライラしたりする背景には、物事はうまくいかず、思い通りにはいかないと知ることがあります。
そんな時は、息を吐いて深呼吸です。
身体を整えれば、自然と精神もついてくるものです。
つまり捨てることは心配事も少なくなり、大らかに生きていけるということなのですね。