お腹の中を透視するおじさん
2025.09.02

私が小学生の頃のこと。
近所にいた「Nさんというおじさん」の話です。
Nさんは、長年大手電気メーカーの研究所に勤められていました。
定年退職後、急に他人のお腹の中が透視できるようになりました。
特に胎児の性別を見分けるのに長けていたのです。
妊婦さんのお腹を見て、
おじさんが「男の子!」と言えば男の子が生まれ、
「女の子!」と言えば女の子が生まれました。
おまけに逆子なども言い当てるので、超音波のない時代にとても感謝されていました。
近所で評判になり、噂が噂を呼んで…
遠方からもたくさんの人が訪れるようになりました。
おじさんはお金をもらうわけではなく。全てボランティアで活動されていました。
あるときは、妊婦さんに付き添って来た母親に
「あなたの子宮に何かあるから、早くお医者に行きなさい」
と言ったそうです。
実際に病院に行くと、母親の子宮に初期のガンが見つかりました。
連日、お元気でたくさんの鑑定をされていました。
ところが鑑定を始めて3年ほど経った頃、
風邪をこじらせお役目を終えるようにあっけなく亡くなられてしまいました。
おじさんは、元々信心深い家系の出で、誰にでも優しい方でした。
なぜ急にスピリチュアルな能力が開花したのかは、おじさん自身にも解明出来ない不思議な現象だったそうです。
ただ、おじさんには子供好きなのに子供がいなかったので、
「子供に関わることで人を助けたかったのではないか」
と、おじさんの奥さんが仰っていました。
現世で人助けをたくさんされたおじさん!
来世では、おじさんに可愛い子供さんができるといいなと思います。