神に導かれた旅
2025.08.05

初めての海外旅行で訪れたのは、南インドにあるアルナーチャラ山でした。
アルナーチャラ山は「光の山」と呼ばれています。
神話によれば、シヴァ神が光の柱として姿を現したとされる、とても神聖な場所です。
私が参加したのは、その山を一周巡礼するツアーでした。
まだ夜が明けきらない早朝に出発し、道中の寺院に参拝しながら歩き続けます。
そしてゴールにたどり着いた頃には、すでに太陽が真上に昇る時間になっていました。
普段はほとんど歩かない私にとって、最初は不安だらけ。
けれども、ゴールが近づくにつれ、不思議と涙があふれてきました。
決して、歩くことが辛かったからではありません。
「なぜ私はここを歩いているのだろう」
そう考えたとき、自分の心の奥にあったしこりや罪悪感が、すでに許されていたことに気が付いたのです。
その瞬間、胸の中がすっと軽くなり、歩ききった達成感とともに大きな感動に包まれました。
けれども、この旅はそれで終わりではありません。
不思議な出来事は、まだ続きました。
翌日、山のふもとで神の石像を売る親子と出会いました。
たくさんの神像の中から私が選んだひとつ。
その神の名前が、なんとツアーガイドさんと同じ名前だったのです。
偶然にしてはあまりにも不思議。
「導かれているのだろうか」と、この旅にさらに運命を感じました。
その時の石像は、今でも私の家に大切に飾ってあります。
初めての海外旅行は、ただの観光ではなく、心に深く残る体験となりました。
振り返るたびに思うのです。
あれはきっと、神に導かれた旅だったのだと。
そしてこの旅から学んだことがあります。
それは、「一歩踏み出す勇気」と「自分の内面を見つめる時間」の大切さです。
歩き続けることで、心のしこりはほどけ、世界の美しさや不思議さに触れることで、自分自身も少しずつ広がっていく。
これからも、未知の場所や新しい体験に身を置きながら、自分の心と向き合い、成長していきたいと思います。